どうも、ついつい冷凍食品を買いすぎてしまうメンマです。
現在、育休中で0歳の娘さんを育てながら細々とITパスポートの試験勉強をしております。
本シリーズでは社会人4年目、IT初心者の私が過去問を解く中で出てくる用語やシラバス改訂により追加された用語の内、
「この用語、意味分かりづら!」
「この問題、ちょっと待って!」
ってなるような用語や問題について試験に出るポイントを押さえながら、ゆる~く解説していきます。
ITパスポート
・勉強中だけど、箸休めしたい人
・問題と解いた後に、解説を飛ばしてしまう人
・具体的な試験内容を知りたい人
この記事を読むことで、「丸暗記が理解に変わる」ようになります。
今回のポイントは3つ!
・似ている単語は絵や表を使って、比較する
・身近なものに例えてみる
・要点、ポイントをまとめてみる
この記事では、自分でやるには面倒な上記3つのポイントを皆さんの代わりにメンマがまとめました!
それでは今回は「システム戦略・企画編」です。
そもそも、システム戦略とは?
ITパスポートにおいて「システム戦略」とは「情報システム戦略」のことを指します。
情報システム戦略は「企業戦略または事業戦略を実現させる」情報システムを活用した戦略です。
そのため、企業全体の効率化を図る(全体最適な)情報システムを作ることが求められます。

システム戦略に関する問題は、「全体最適」という言葉が正解へのキーポイントになるよ!

BPRとBPM
BPR・BPM とは
BPR: Business Process Reengineering(業務プロセスリエンジニアリング)
業務プロセスを抜本的に見直し、再設計する手法
BPM: Business Process Management(業務プロセス管理)
継続的に業務プロセスを改善していく手法
どちらも、「業務プロセスの改善」という点では同じです。
一方で「BPRは抜本的」、「BPMは継続的」と改善のレベルに違いがあることに注目です!

「re-engineering (リ・エンジニアリング)」の単語だけで、
「企業内の抜本的な見直し・変更」という意味で使われることがあるよ。
問題文での見分け方
BPRもBPMも「業務プロセスの改善」という動詞は同じなので、見分ける際には修飾語に注意です!
実際の過去問において、BPR・BPMがどのように説明されていたか見てみましょう。
まず、BPRです。
【BPR】
・業務の手順を改めて見直し、抜本的な再設計する考え方
( 出典:平成28年度秋期 第2問 )
・企業の業務効率や生産性を改善するために、既存の組織やビジネスルールを全面的に見直して、再構築すること
( 出典:平成21年度春期 第20問 )
「抜本的な」や「再構築」など、全体的に大きな見直しが行われていることが読み取れます。

ITパスポート試験ドットコムでは、「革新的な」という言葉も【BPR】だと見分けるポイントとして挙げているよ!

次に、BPMを見てみましょう。
【BPM】
・組織の業務プロセスの効率化、効果的な手順の考え、その実行状況を監視して問題点を発見、改善するサイクルを継続的に繰り返すこと
( 出典:平成29年度春期 第29問 )
・業務の流れをプロセスごとに分析整理し、問題点を洗い出して継続的に業務の流れを改善する
( 出典:平成26年度春期 第22問 )
どちらの説明文においても「継続的」という言葉が入っています。
また、「改善するサイクル」とは「PDCA(Plan→Do→Check→Action)サイクル」を指しています。
BPMを説明する中で、この「改善するサイクル」も見分けるポイントです。


住宅で例えると、
BPRは「リフォーム」、BPMは「整理・整頓」って感じ!
システム化構想とシステム化計画の立案プロセス
企画プロセス
企画プロセスは、システム開発の5つのステップの内の最初の手順です。
ここでの目的は
① 経営上のニーズに沿ったシステムの基本要件の策定
② ①を実現させるための実施計画の獲得
です。
この2つを実行するために必要となるのが、「システム化構想の立案プロセス」と「システム化計画の立案プロセス」です。

2つの立案プロセス
もう少し、この2つの立案プロセスの具体的な中身を見てみましょう。
システム化構想の立案プロセス:
経営上のニーズや課題を確認。 事業環境や業務調査などを分析。
システム化計画の立案プロセス:
基本要件の確認。開発費用とシステム導入による効果を予測(費用対効果を計算)。
「システム化構想の立案プロセス」での経営上のニーズや課題を確認することは、経営戦略とずれのない「全体最適」なシステムを作るうえで重要な過程です。
また、「システム化計画の立案プロセス」での費用対効果の計算はROI(投資利益率)を出すことで、システム導入の必要性を客観的に判断することができます。


「構想」で経営者から情報収集、「立案」で導入の価値を見ているね
情報銀行

情報銀行とは
「個人情報は誰のものなのか?」
現在、AmazonやFacebookなどのいわゆる「GAFA」を中心とした大企業が、顧客の個人情報を独占的に利用していることが議論の対象となっています。
そんな中で、
「個人情報はその個人に所有権がある」
という考えのもとに、「情報銀行」が生まれました。
情報銀行とは
個人とのデータ活用に関する契約等に基づき、PDS等のシステムを活用して個人のデータを管理するとともに、個人の指示又は予め指定した条件に基づき個人に代わり妥当性を判断のうえ、データを第三者(他の事業者)に提供する事業。
総務省/経済産業省の「情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会」より引用
簡単に言うと、
「個人データを本人に代わって、事業者が他業者に提供するシステム」
です。
PDSとは「Personal Data Store」の略で、個人情報の集約・管理するシステムです。
「個人データをすべて個人が管理するには限界があるので、事業者に管理してもらおう」
「銀行が顧客からお金を預かり、そのお金を法人に貸付するように、情報も預かり、安全に運用していこう」
という訳です。
押さえておくべきポイント
情報銀行の役割
情報銀行の役割は、大きく5つ!
①個人のデータの安全な管理
②個人データが消費者のものであると明確にすること
③第三者提供時のデータの用途と明確化
④消費者自身がデータを扱えるようにすること
⑤データ活用で得られてた利益を消費者に還元すること
(出典: ITパスポート試験ドットコム)
個人データの範囲
ここでの「個人データ」とは、購買履歴、行動履歴、趣味嗜好など多岐に渡りますが、現在の指針では「要配慮個人情報」「クレジットカード番号」「銀行口座」は対象外になります。

人種や犯罪歴、社会的身分などの「要配慮個人情報」や
個人のお金を入出に関する「クレジットカード番号」「銀行口座」は
個人情報ではあるけれど、情報銀行では取り扱い対象外なんだね
「情報銀行」の認定は任意
大事な個人情報を取り扱うことになる「情報銀行」ですが、実は事業を行う上で登録や申請は必要ありません。

え~?💦 信頼できる業者か怪しい業者か見分けつかないよ!
一方で、情報銀行推進委員会が国の指針に沿って「認定制度」を作っています。
この認定を受けることで、信頼性のある事業者であることをアピールすることができます。
RFIとRFP

RFI・RFPとは
システム開発を自社で行えない場合、企業はお金を払ってベンダ(外部事業者)にシステムの開発を依頼します。
そうなると、まず希望のシステムを作れる技術を持つベンダを探す必要があります。
また、依頼先が決まっても今度はシステムの中身をすり合わせたりする必要があります。
このような経緯で最終的な契約を結ぶまでに、発注企業はベンダに対してRFIやREPといった書類の提出を行わなければいけません。
RFI: Request For Information(情報提供依頼書)
ベンダに対して、どのような技術や経験があるか開示するよう要求する文書
PFR: Request For Proposal (提案依頼書)
ベンダに対して、具体的なシステムの設計や要件などをまとめた提案書の提出を依頼する文書
どちらも、「発注企業がベンダに対して要求する」という点では同じです。
一見、ベンダの情報はサイトや広告で得られそうに感じますが、実際にはベンダが非公開にしている技術があったりします。
そこで機密保持の契約を結んだうえで、RFIにて正式に情報を得ることが必要なのです。
また、ベンダの経験を知ることで、その会社の信用度を確認することもできます。

RFIには「ベンダの審査」と「技術情報の収集」という2つの目的があるよ
ケーキ屋さんで例えてみると
お祝いケーキの予約をするとき、そのお祝いの内容や主役の好みに合わせたいですよね。
ケーキ屋さんによっては、味や装飾、好きなキャラクターの絵なんかも要望に合わせて作ってくれたりします。
そんなケーキ屋さんを探すのが「RFI」での目的です。
希望に答えてくれそうなケーキ屋さんが見つかったら、次は実際に希望を伝えて紙に完成図(提案書)を書いてもらいましょう。
これが「RFP」の目的になります。

まとめ
・BPM: 業務プロセスを「抜本的」に見直し、改善する手法
・BPR: 業務プロセスを「継続的」に見直し、改善する手法
・システム化構想の立案プロセス: 企画プロセスの内、経営上のニーズや課題を確認するプロセス
・システム化計画の立案プロセス: 企画プロセスの内、基本要件の確認や費用対効果を計算をするプロセス
・情報銀行: 個人データを本人に代わって、事業者が他業者に提供するシステム
・RFI: ベンダに対して、技術や経験についての情報開示を要求する文書
・RFP: ベンダに対して、システムの設計や要件をまとめた提案書の提出を依頼する文書
いかがでしたでしょうか。
システム開発に携わったことない人にとっては、聞きなじみのない言葉が多い回だったと思います。
しかし、専門的な知識がなくても1つ1つ丁寧に読み解いていけば、「なるほど!」と理解できるようになります。
紛らわしい単語は図や比較表を使って、乗り越えていきましょう!
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